国家公務員試験総合職受験日記 官庁訪問 -- 準備編
解説編と体験談編に分けると約束したな。あれは嘘だ。
えー、また長くなってしまったので解説編・準備編・本番編の三部作としたいと思います。いつまでも本題に入らなくて申し訳ないです。
というわけで今回は僕が官庁訪問までに行っていた対策やその他諸々の準備の話。
当日までに行った対策
二次の人物試験のときに作った想定質問&回答集の強化版みたいなのを、同じくEvernoteを使ってひたすら作った。例えばこんな内容(一部二次試験のときと重複あり)。
- 研究について
- 研究してる内容について詳しく。
- なぜその研究をやろうと思ったの?
- その研究は何の役に立つの?
- 関連する研究の中での位置づけは?
- 研究で苦労したことは?解決するためにどうした?
- 先生からはどんな評価をもらってる?
- 自己について
- 長所と短所は?
- 友人からどんな評価をもらうことが多い?
- 研究室での役割は?
- 大学院に進学した理由は?
- 就職において重視することは?
- 時事について
- 最近の社会事情で興味のあることは?
- 最近気になったニュースは?
- 各省庁について
- 公務員を志望したのはなぜ? なぜ民間じゃなくて公務員?
- 公務員にとって大切なこととは?
- ○○省を志望した理由は?
- ○○省で何をやりたい?
- なぜそう思った? それに対し自分には何ができる?
- どんな話を聞きたい、どんな課の人に会ってみたい?
- 自分のどんな能力をを○○省での公務に活かすことができる?
- ○○省の政策でいいと思ったのと悪いと思ったの挙げて。
具体的に書くと僕のパーソナリティに踏み込んじゃうので抽象的・表面的な部分だけを挙げたけど、実際には各項目ごとにもう少し踏み込んだりはしている。この作業をやってて、あぁこれがいわゆる自己分析か……就活ワードとして忌避してたけどそら確かに必要だわこれ……とか思った。
当たり前だけど、ありきたりな内容だと評価されにくいので、できるだけ自分の持つ背景を盛り込むなどして他人でも同じことが言えるような内容にならないよう気を払った(そうは言っても大した大学生活送ってないからそれが難しいんだけど……)。
それと僕は普段ニュースの類を見る習慣が全くなくて、政治や経済の動きについての知識がゼロだったので、流石にまずいと思い二次試験前後あたりから研究室で定期購読している日経新聞電子版を毎日読むようにしてた。よくそんなので公務員目指そうと思ったなと周りに言われた。ほんまそれ。
あとは、省庁によっては事前に公式サイトから訪問カード(ES的なもの)をダウンロードして記入し持って行く必要があったりするので、上記の内容をもとに作成を行なった。事前記入でない場合も最初の訪問の際に書かされてから面接が始まることが多い。項目はだいたい志望理由・やりたいこと・研究内容・長所短所・学生時代に打ち込んだことあたり。面接でもこれらの内容は実際に話させられることが多い(し、何度も同じ内容を話すことになる)ので、省庁ごとにアレンジした文章版と口頭説明版をしっかり作りこんで頭に叩きこんでおくべきだろう。他にも電話やメールで第1クールの予約が必要な省庁もあったりするので、志望省庁のサイトはこまめにチェックして指示がないか確認しておこう。
官庁訪問中は待合室などでの通信機器の使用を制限される可能性が考えられたので、訪問カードのコピーと一緒にEvernoteに書いた内容を印刷したプリントを大量に持ち込んだんだけど、少なくとも僕が訪問した3省庁では何も言われることなく普通に携帯やタブレットが使えた。さすがにラップトップ持ち込んでカタカタやってる人はいなかったけど。でも対策の内容は訪問中どんどんアップデートしていかないといけなかったので、追記しやすい紙で持ち込んだのは正解だったと思う。
白書
官庁訪問受験者の間でよく話題に上る「白書」。中央省庁の年次報告書?みたいなやつで、4〜500ページぐらいで内容も細かいので相当なボリュームである。紙媒体で市販しているほか、各省庁のサイトでpdf版をダウンロードすることもできるが、だいたいどの省庁でも章ごとにバラバラにされててダウンロードは手間だしそのままでは読みにくい。志望省庁の白書は読んどけみたいな話をときどき聞くので、僕はわざわざpdfをまとめてダウンロードし1つに結合するスクリプトを組みiPadで読めるようにした。で、内容はわかりやすく書いてあるし難しくはないんだけど如何せん量が膨大なので、そこまで手間をかけておきながら結局通読することは早々に諦めてしまった。
全部が頭に入るレベルまで読み込むには相当なコストがかかるし、官庁訪問では省庁に関する事前知識はあまり問われないので、個人的には必ずしも読んでおく必要はないと思う。逆に中途半端に読んだだけなのに面接で自分から「白書で読んだんですけど〜」みたいな話の振り方をすると突っ込まれて自爆するオチになりかねない。パラパラと読んでみて自分の興味のあるところをチェックしておき、志望動機のとっかかりにするか政策の話を振られたときにいい反応ができるようにするための保険に使うぐらいがいい気がする。
宿
地方民にとって官庁訪問そのもの以外に重大な問題となるのが宿選び。自宅との距離や訪問省庁の数によっては途中で何度か帰るという選択肢もなくはないが、基本的に地方民の場合2週間ずっと自分の基地になる場所なので、宿選びは非常に重要である。
当然宿泊費は自己負担なので10万前後は飛んでいくことを覚悟しなければならない。人事院が手配するユースホステルを利用すれば安く抑えられるけど、僕は知らない人と相部屋とか勘弁なので自分で探すことにした。長期戦の官庁訪問において訪問の合間に休息をとったり次の訪問の対策を確認したりと宿はけっこう重要な役割を果たすので、多少奮発してでもいい宿をとったほうがいいと思う。
ここから露骨なステマになるけど、僕が泊まったのは新橋の「ホテル新橋三番館」。確か5月中旬、一次試験が終わって二次やる気出ねーなーという時期にネットで調べてて、良さげだったし前日までキャンセル可だということだったんでそのまま予約しておいた。ビジネスホテルは東京以外の地域でならこれまでにも何度か利用したことはあって、だいたい実物はネットでの感触より微妙なことが多いから期待してなかったんだけど、以下のような理由からこのホテル神だった。
- 建物も部屋も全体的にきれい
- 部屋は狭いけど広かったらどうだということもないので問題ない
- 新橋駅まで徒歩5分、そこから霞が関(虎ノ門駅)まで一駅という好立地
- ただし満員電車は地獄
- 駅の近くなので食う場所にも困らない
- 洗濯機が各部屋備え付け
- これはけっこう珍しいんじゃないかなぁ。洗濯すごい助かった
- スーツ類は自分ではできないので毎回フロントでクリーニングに出した
- 空気清浄機備え付け
- 細かいところが便利
- 部屋はカードキーのオートロック
- 部屋入口にカードキーのスロットがあり、挿すと自動で明かりがつく
- ベッド脇に部屋の明かりのスイッチと各社携帯の充電ケーブル備え付け
- コンセント多い(机周りだけで6口)
- 朝食は1日につき500円の食券が支給され、提携してるジョナサン・すき家(ホテルと直に繋がってて便利)・中華料理屋で利用可能
- お釣りも出るし、余ったらキャッシュバックも可能
- すき家のチーズ牛丼好きなので3日に1回は行ってた
- ミネラルウォーター1日1本タダで支給
- きれいな大浴場が26時まで使える
- 露天風呂もある。都心部ド真ん中の地上12階なのでなかなか爽快
- まぁ「大」浴場とはいえ浴槽は3m四方ぐらいで露天風呂も一人用だけど、基本的に空いてたので問題なし
- 日中のルームメイクを拒否できる→休日に一日中引きこもることが可能
- 土日や官庁訪問後半は休みが増えるので助かる
- これだけの好条件でありながらそれほど高くない
- 会員登録すると夕食に関しても朝食と同じように食券がもらえるんだけど、他のいろんな場所で食べたい場合はその分の料金を宿泊代から引くこともでき、それ込みで一泊6500円程度)
逆に不満だったのはこれぐらい。
東京のこの辺で他のホテルに泊まったことはないので相対的な評価をすることはできないんだけど、どこのホテルもこのレベルということはないだろう。少なくとも僕がこれまで泊まったことのあるビジネスホテルの中ではダントツの満足度だった。個人的には官庁訪問を乗り越えられた理由の3割ぐらいはこのホテルのおかげだと思っている。ということで宣伝しておくので、官庁訪問の際にはぜひご利用ください。
僕が予約した5月中旬の時点ではそこそこ空きがある感じだったと記憶しているけど、前日上京の場合16連泊という長期の予約になるし、同じように官庁訪問で来る人はたくさんいるので、宿の確保についてはできるだけ速く動いておいたほうがいいと思う。1つの宿を全日程押さえることができず官庁訪問中に宿を転々としないといけなくなったりすると悲惨だし。
……というわけで、余裕を持って前日の夕方には上京し、ホテル新橋三番館にチェックイン。
次回、最終章 官庁訪問本番編。近日公開。