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【完結】国家公務員試験総合職受験日記 官庁訪問 -- 本番後編

さてさて、進むにつれて書くことがなくなってきたため第1クールとそれ以降という変な分け方になりましたがようやく最後の最後、官庁訪問後編です。どうぞ。

7/1(月) 第2クール1日目 A省2回目

この日はA省も待合室からスタート。意外と第2クールから参加している人の数が多く開始時点で人数は30人ぐらいになっていたので、結局第1クールで何人が残ったのかは分からなかった。第1クールと同じような流れで、午前中に2回面接を受ける。面接官はどちらも5,6年目、内容も志望動機中心でほとんど第1クールと変わらず、可もなく不可もなく無難にこなしたという感触だったが、今思うとここで頭角を現せなかったのが決め手になったのかもしれない。そろそろ昼飯時だなぁと思っていると、他の7,8人と一緒に荷物を持って来るよう指示された。

一瞬でめのまえがまっくらになるも、すぐに帰されるのではなく別の待合室に通されしばらく待つように言われる。優秀そうな他の訪問者はこちらにいなかったので、これはいわゆる一軍部屋と二軍部屋に分けられたのか?こっちは二軍部屋だけどまだチャンスはあるのか?と考えを巡らすも、結局2,3人ずつまた荷物を持って出てくるよう言われ、エレベーター前で「官庁訪問は以上になります」。ということでA省は昼飯まで辿り着くことなく第2クール午前でお祈り。かの有名なエレオクを体験することができてよかったです(震え声)

A省を出たあと一緒に落とされた学部4年の訪問者としばらく話していたんだけど、その人は「評価は良かったんですが、まだ学部生でチャンスがありますから、大学院に入ってからまた来てください」みたいなことを言われたらしい。院進学を保険にして暇な学部4年前期に公務員試験を受けてみるというのはわりと賢い選択肢だと思っていたんだけど、もしかしたら理系では学部生は優先的に落とされるということがあるのかもしれない。

3省庁の志望順位はそれほど変わらないとはいえ、A省には一番対策を作りこんで挑んでいたのでこれはかなりショックだった。もしかしたら第1クールで残れたのはよっぽどダメな人しか落ちない前座だったからなだけで、明日明後日も今日みたいにあっさり落とされてしまうのでは?とここで一気に精神的に追い込まれる。とりあえずすぐさまホテルに戻り、その日の残りで必死にB省の対策を詰めた。

7/2(火) 第2クール2日目 B省2回目

B省も第2クールからの訪問者が何人かいたのに加えて第1クールで落ちた人はあまりいなかったのか、待合室の人数は初回とほとんど変わっていなかった。この日はまた朝一から21時過ぎまで束縛されることになったんだけど、その間に行った面接の回数はなんと2回という、第1クールを超える待機地獄だった。まぁ21時過ぎになったのは学習しない僕が朝もたもたしてまた受付順が最後の方になったからで、出口面接自体は19時ぐらいに始まってたけど。最後の方は訪問者同士の雑談のネタも尽き、全員で窓の外を眺めて他の庁舎の電気が付いている部屋の数から各省庁のブラック度を測る遊びをしていた。訪問者を連日遅くまで残らせる(=官庁訪問を担当する職員も残っている)B省もブラックであろうことは言うまでもない。

ちなみにこの日も受付時に作文を課され、テーマは「座右の銘とその理由」だった。座右の銘は一応用意してはいたけどA4用紙を埋められるほど深く考えていなかったので、全く別のものを捏造する羽目になってしまった。あ、僕は面接2回だけだったけど、第2クールから参加した人はおそらく第1クールの遅れを取り返させるためにもう少し多く呼ばれていた。

面接自体は1回目が10年目の課長補佐、2回目も年次教えられなかったけどそこそこ年いってそうな人が相手の人事面接で、内容はB省の持つ役割や興味のある政策分野の話が中心だった。幸いにも僕は楽観的というか物事を深く考えないタイプなので、前日のショックをあまり引きずらずに面接に臨めてはいたと思う。とはいえ急に話す内容が劇的に立派になるなんてことはなく、面接の感触は良くも悪くもないかなぁという感じだった。

なので出口面接に呼ばれたときは結果が全く予想できず極度の緊張状態だったのだけど、面接官から出た言葉は「第3クール初日に来てもらいたいと思います」。しかし僕は無い内定で失敗できない立場もあって第3クール初日はセオリー通り一番受かりそうな省庁に行くつもりだったので、ここで「第2クールの結果が出揃ってから判断したいので返事は保留にさせてもらいたい」ということと、思い切って「差し支えなければ現時点でどのくらい評価されているかを教えてほしい」とお願いした。結局返事は第3クール開始直前までにメールすればいいと言われたが、評価については「他の受験者との兼ね合いもあるので教えられない」ということだった。評価がよくて引き止めたいならなんとなくほのめかしてくれそうなもんだと思ったので、その回答から自分の評価が決して高くないんだなということはなんとなく察した。面接も特に上手くやれたわけじゃないし、訪問中に高評価のサインみたいなのも特に感じられなかったし。

このとき僕は確か「1日目の省庁は既に落ちたんだけど3日目の省庁がどうなるかわからないので……」みたいなことを正直に伝えた気がするけど、これは今冷静に考えると「いやいやなんで第2希望のウチと第3希望で迷うんだよ」と思われて良くなかったかもしれない。評価を尋ねたことと併せると、評価が高い方に行こうとしていることがバレバレである。返事を保留にしてもらうこと自体はいいと思うんだけど、単に結果が出揃ってから考えたいとだけ言ってはぐらかすか、あるいは第1希望にも予約をもらっていると嘘をつくのもありだったかもしれない(省庁間で訪問者の選考状況を共有するなんてことはやってないはず)。あと評価を尋ねたときも面接官に心なしかちょっと嫌そうな反応をされた気がするので、直接尋ねるのはどうしても知りたいという場合以外やめたほうがいいのかも。このへんの駆け引きは正解がわからないし難しいところだね。とりあえず首の皮一枚つながった状態で3日目へ。

7/3(水) 第2クール3日目 C省2回目

C省もB省と同じような感じで1回目と人数がほとんど変わってなかった。やっぱり第1クールではあんまり落とさないのか? 面接は午前に1回午後に1回で、どちらもけっこう年配の人達が面接官だった。研究についていま現在不十分な点・今後どう発展させていくか・企業の研究との違いを聞かれるなど、面接カードの内容にはない質問が多かったが、幸いそれほど答えづらい質問はなくうまくこなすことができた。

その後はB省のように待ち地獄になることはなく15時ぐらいに出口面接に呼ばれたんだけど、なんと面接官から「非常に評価しているので、ぜひ第3クール初日に来てもらいたいと思っています」と言われる。おお、これは!?と思いつつ冷静にB省の選考もまだ残っていることを伝えると、「こちらとしてはB省に行かれると困るんですが、もちろん最終的な判断はお任せします」と面接官。これはもう高評価間違いなしだろうとテンションが上がるも、とりあえず保留にして夜までに電話で連絡することにしてもらった。結局、解説編で書いた通りその後の人生を決める選択となる第3クール初日の訪問官庁は、評価の差や訪問中に受けた印象(主に待ち時間)を勘案してほとんど迷わずC省に決めた。B省も一応第3クール2日目に予約を入れた。

7/4(木) 第3クール1日目 C省3回目

第3クール初日はそれまで3日に分散していた訪問者のうちその省庁を第1志望に決めた人が一堂に会する日なので人数が増えるのが普通だと思うが、この日待合室にはまだ採用予定人数の倍近くの人数が集まっていた。これを見て、いい評価をもらえてそうだとはいえもしかしたら他の人も同じようなことを言われてるかもしれないし、まだまだ全然油断はできないなと緊張が高まる。1人ずつ面接が始まり、面接から帰ってきた人の話を聞いていると、どうやら今までと同じような面接をしている人とそうじゃない人がいる様子。どういうことかと思っているとわりと早めの順番で面接に呼ばれる。

面接室はけっこう広めで長机の向こうにお偉いさんっぽい人が4人座っており、その前に置かれた椅子に座って面接を行うという、ちょうど二次試験の人事面接と似た配置での面接だった。今までとは違う重めの雰囲気に緊張しながらも基本的な流れは面接カード通りで無難にこなせたが、面接官の一人に「働き出すと目上の人と多く関わるけど、人間関係をうまくやっていく自信はあるか? 意見が合わないときどうするか?」みたいなことを聞かれ、あまり考えたことない話題だったのでうまく答えられなかった。あとは他省庁の志望理由なんかも聞かれた。

うーんちょっと良くなかったなーと落ち込みながら待合室で待機していると、他の人の面接が進むなか荷物を持って来るように言われる人が出始める。そして僕も荷物を持ってくるよう言われ、普通に出口面接か?それともまさかA省みたいな首切りか?とどぎまぎしながら案内の人に付いていくも、結局普通の出口面接で、あっさり第4クールの予約をもらうことができた。後になって考えるとどうやらこの日は内々定圏に入っている人は役員面接的なものを行い、まだ評価が定まっていない人はもう何回か普通の面接を行っていたようだ。僕はその役員面接はあんまりうまくいった気がしてなかったけどそれまでに評価が固まっていたのかなんとか許されたらしく、この日は11時半ぐらいに解放されることになった。まだ内々定までいけるという確信はなかったけど、体力温存を優先してもともと評価が高くない上に2日目に回した時点でほぼダメであろう翌日のB省の訪問はメールで辞退した。

というわけで7/5(金)〜7/7(日)は3連休。もうホテルにこもってやることもあんまりないし、前述通りの楽観人間なので官庁訪問への不安は忘れて観光などに出かけた。国会図書館寄生獣を読んだあと国会議事堂→皇居と歩いたり、六義園を見に行ったりした。

7/8(月) 第4クール1日目 C省4回目

ここからメモを取っていないので記憶頼みなんだけど、この日はどんな面接をしたか全く覚えていない。とりあえず面接は1回だけで、どうやら面接のタイミングに合わせて予約の時間を指定してくれてるらしく、C省行ってすぐ面接してすぐ次回の予約もらってすぐ帰るという感じだった。内々定まで油断はできないと思いつつ、このあたりでだんだんこれもう勝ち確じゃね?という気分に。金をかけずに外で暇をつぶすことを考えた結果、午後は日比谷公園まで散歩して中の図書館で読書をしていた。7/9(第4クール2日目)は朝一でスカイツリーに行った。微妙だった。

7/10(水) 第5クール C省5回目

この日は偉い人と面接をしてもらいますとあらかじめ言われてたんだけど、その人の部屋のソファーに座ってほぼ雑談をするだけだった。第4クールと同じような流れで午前中に解放されたので、午後はこの日大規模なアップデートが入った新生GITADORAをやりに行った。この公務員試験日記の前のエントリで触れたとおりアプデ前のGITADORAはクソゲーだったんだけど、この日以降神ゲーになったのでこの場を借りて訂正いたします。

7/11(木) 第6クール C省6回目

採用担当+偉い人の2人により最終的な意思確認が行われ、内々定を言い渡される。例によって即時解放だったので、結局他の内々定者とは内定式の日まで顔を合わせることはなかった。東京でやることはもう全て前日までに済ませていたので、すぐにホテルを引き払い下宿に帰った。

おわりに

……ということで、僕の官庁訪問体験記はこれにて完結。先の見えない時期から長々と書いてきたけど、最終的に最高の結果で締めくくることができて本当によかったと思う。書いてる間から読んでくれていた方は、完結まで長らくお待たせしてしまいすみませんでした。

エントリ中でも何度か触れたとおり僕はもともと行政に対して思うところがあるとか国をどうこうしたいとかそういうことをほとんど考えたことのない人間だったので、僕の志の高さは明らかに行政官になるには不十分だったと思う。それは付け焼き刃とはいえそこそこ真面目に対策をして臨んだA省,B省でいい結果が出なかったことからもわかるし、訪問中の他の訪問者との会話の中でもひしひしと感じた。じゃあなぜ最終的に内々定まで辿り着くことができたかというと、それは卑下や謙遜ではなくひとえに運と相性がよかったということに尽きると思う。

ここでひとつすごく記憶に残っている、C省第2クールの面接での幸運な出来事の話。受験前に大学での中央省庁合同説明会でC省のところに行ったとき、質問タイムで僕は「C省を目指すならどんなことを知っておけばいいですか」みたいなことを聞いたんだけど、それに対して「C省のサイトに○○という特設ページがあるから、その内容は見とくといいかも」という回答をもらった。なので官庁訪問対策のときにそのページもチェックしておいたんだけど、第2クール2回目の面接で面接官(当然説明会のときとは違う人)に「C省で具体的にやってみたいことはあるか」みたいな質問をされたときにそのページの内容に触れて答えると、非常にいい反応をもらえたのである。

もちろんこれ自体が採用の決め手になったとかそういうわけではないけど、他にもC省でよく聞かれた求める人物に関する質問が僕の持つバックグラウンドから説得力のある答えを返しやすいものであったりと、訪問前には予想もしなかった相性のよさを感じる場面が多々あった。官庁訪問対策サイトとか体験記ブログとかにはよく「官庁訪問は実力だけじゃなくて運と縁も大事」みたいなことが書かれてて、僕も受験前はそれ読んであーはいはいという感じだったけど、あれはマジでした。



とはいえ運なんかは自分ではどうにもならないし、これから国家公務員総合職を目指す人に僕から助言できることがあるとすれば、「自分のことはしっかりわかっとけ」ということでしょうか。官庁訪問での問答はとにかく論理的で説得力のある回答が求められるので、そのために自分の内面やこれまでやってきたことをふりかえる作業はとても大事だと思います。だいたいの人は僕なんかよりよっぽど高い志を持って行政官を目指してると思うので、あとはそれと自分自身のパーソナリティとをしっかり繋げられれば完璧なはずです。
それと前に書いたとおり席次はたぶんけっこう重要だし高いに越したことはないので、差がつけやすい一次の特に専門をしっかり押さえて点数を稼いでおきましょう。



……さて、なんか真面目に締めてしまいましたが、めでたく完結ということで次のエントリからはまた微妙な内容の情報技術関連ブログに戻りたいと思います。修論に向けてだんだん忙しくなってきてるのでしばらく放置する可能性もあります。今のところ今後公務員関係のエントリを書く予定はありませんが、ちょこちょこと既存エントリを修正したり、コメントで質問などを頂いたときには回答させてもらうことがあるかもしれません。
あと、ちょうど一区切りがついたので前々からやろうとして先送りにしていたはてなブログへの移行をそのうちやる予定です。そのときに何らかの形でこの公務員試験関係エントリ群をまとめられたらと思ってます。


色々と至らない点もあったと思いますが、本エントリが少しでも受験者の皆さんのお役に立てば幸いです。それでは。