まったりいんふぉまてぃくすめもらんだむ

主にプログラミング関係のメモに使うかもしれないしそうでないかもしれない

国家公務員試験総合職受験日記 官庁訪問 -- 準備編

解説編と体験談編に分けると約束したな。あれは嘘だ。


えー、また長くなってしまったので解説編・準備編・本番編の三部作としたいと思います。いつまでも本題に入らなくて申し訳ないです。
というわけで今回は僕が官庁訪問までに行っていた対策やその他諸々の準備の話。

当日までに行った対策

二次の人物試験のときに作った想定質問&回答集の強化版みたいなのを、同じくEvernoteを使ってひたすら作った。例えばこんな内容(一部二次試験のときと重複あり)。

  • 研究について
    • 研究してる内容について詳しく。
    • なぜその研究をやろうと思ったの?
    • その研究は何の役に立つの?
    • 関連する研究の中での位置づけは?
    • 研究で苦労したことは?解決するためにどうした?
    • 先生からはどんな評価をもらってる?
  • 自己について
    • 長所と短所は?
    • 友人からどんな評価をもらうことが多い?
    • 研究室での役割は?
    • 大学院に進学した理由は?
    • 就職において重視することは?
  • 時事について
    • 最近の社会事情で興味のあることは?
    • 最近気になったニュースは?
  • 各省庁について
    • 公務員を志望したのはなぜ? なぜ民間じゃなくて公務員?
    • 公務員にとって大切なこととは?
    • ○○省を志望した理由は?
    • ○○省で何をやりたい?
      • なぜそう思った? それに対し自分には何ができる?
    • どんな話を聞きたい、どんな課の人に会ってみたい?
    • 自分のどんな能力をを○○省での公務に活かすことができる?
    • ○○省の政策でいいと思ったのと悪いと思ったの挙げて。


具体的に書くと僕のパーソナリティに踏み込んじゃうので抽象的・表面的な部分だけを挙げたけど、実際には各項目ごとにもう少し踏み込んだりはしている。この作業をやってて、あぁこれがいわゆる自己分析か……就活ワードとして忌避してたけどそら確かに必要だわこれ……とか思った。

当たり前だけど、ありきたりな内容だと評価されにくいので、できるだけ自分の持つ背景を盛り込むなどして他人でも同じことが言えるような内容にならないよう気を払った(そうは言っても大した大学生活送ってないからそれが難しいんだけど……)。
それと僕は普段ニュースの類を見る習慣が全くなくて、政治や経済の動きについての知識がゼロだったので、流石にまずいと思い二次試験前後あたりから研究室で定期購読している日経新聞電子版を毎日読むようにしてた。よくそんなので公務員目指そうと思ったなと周りに言われた。ほんまそれ。

あとは、省庁によっては事前に公式サイトから訪問カード(ES的なもの)をダウンロードして記入し持って行く必要があったりするので、上記の内容をもとに作成を行なった。事前記入でない場合も最初の訪問の際に書かされてから面接が始まることが多い。項目はだいたい志望理由・やりたいこと・研究内容・長所短所・学生時代に打ち込んだことあたり。面接でもこれらの内容は実際に話させられることが多い(し、何度も同じ内容を話すことになる)ので、省庁ごとにアレンジした文章版と口頭説明版をしっかり作りこんで頭に叩きこんでおくべきだろう。他にも電話やメールで第1クールの予約が必要な省庁もあったりするので、志望省庁のサイトはこまめにチェックして指示がないか確認しておこう。

官庁訪問中は待合室などでの通信機器の使用を制限される可能性が考えられたので、訪問カードのコピーと一緒にEvernoteに書いた内容を印刷したプリントを大量に持ち込んだんだけど、少なくとも僕が訪問した3省庁では何も言われることなく普通に携帯やタブレットが使えた。さすがにラップトップ持ち込んでカタカタやってる人はいなかったけど。でも対策の内容は訪問中どんどんアップデートしていかないといけなかったので、追記しやすい紙で持ち込んだのは正解だったと思う。

白書

官庁訪問受験者の間でよく話題に上る「白書」。中央省庁の年次報告書?みたいなやつで、4〜500ページぐらいで内容も細かいので相当なボリュームである。紙媒体で市販しているほか、各省庁のサイトでpdf版をダウンロードすることもできるが、だいたいどの省庁でも章ごとにバラバラにされててダウンロードは手間だしそのままでは読みにくい。志望省庁の白書は読んどけみたいな話をときどき聞くので、僕はわざわざpdfをまとめてダウンロードし1つに結合するスクリプトを組みiPadで読めるようにした。で、内容はわかりやすく書いてあるし難しくはないんだけど如何せん量が膨大なので、そこまで手間をかけておきながら結局通読することは早々に諦めてしまった。

全部が頭に入るレベルまで読み込むには相当なコストがかかるし、官庁訪問では省庁に関する事前知識はあまり問われないので、個人的には必ずしも読んでおく必要はないと思う。逆に中途半端に読んだだけなのに面接で自分から「白書で読んだんですけど〜」みたいな話の振り方をすると突っ込まれて自爆するオチになりかねない。パラパラと読んでみて自分の興味のあるところをチェックしておき、志望動機のとっかかりにするか政策の話を振られたときにいい反応ができるようにするための保険に使うぐらいがいい気がする。

宿

地方民にとって官庁訪問そのもの以外に重大な問題となるのが宿選び。自宅との距離や訪問省庁の数によっては途中で何度か帰るという選択肢もなくはないが、基本的に地方民の場合2週間ずっと自分の基地になる場所なので、宿選びは非常に重要である。
当然宿泊費は自己負担なので10万前後は飛んでいくことを覚悟しなければならない。人事院が手配するユースホステルを利用すれば安く抑えられるけど、僕は知らない人と相部屋とか勘弁なので自分で探すことにした。長期戦の官庁訪問において訪問の合間に休息をとったり次の訪問の対策を確認したりと宿はけっこう重要な役割を果たすので、多少奮発してでもいい宿をとったほうがいいと思う。

ここから露骨なステマになるけど、僕が泊まったのは新橋の「ホテル新橋三番館」。確か5月中旬、一次試験が終わって二次やる気出ねーなーという時期にネットで調べてて、良さげだったし前日までキャンセル可だということだったんでそのまま予約しておいた。ビジネスホテルは東京以外の地域でならこれまでにも何度か利用したことはあって、だいたい実物はネットでの感触より微妙なことが多いから期待してなかったんだけど、以下のような理由からこのホテル神だった

  • 建物も部屋も全体的にきれい
    • 部屋は狭いけど広かったらどうだということもないので問題ない
  • 新橋駅まで徒歩5分、そこから霞が関(虎ノ門駅)まで一駅という好立地
    • ただし満員電車は地獄
  • 駅の近くなので食う場所にも困らない
  • 洗濯機が各部屋備え付け
    • これはけっこう珍しいんじゃないかなぁ。洗濯すごい助かった
    • スーツ類は自分ではできないので毎回フロントでクリーニングに出した
  • 空気清浄機備え付け
  • 細かいところが便利
    • 部屋はカードキーのオートロック
    • 部屋入口にカードキーのスロットがあり、挿すと自動で明かりがつく
    • ベッド脇に部屋の明かりのスイッチと各社携帯の充電ケーブル備え付け
    • コンセント多い(机周りだけで6口)
  • 朝食は1日につき500円の食券が支給され、提携してるジョナサン・すき家(ホテルと直に繋がってて便利)・中華料理屋で利用可能
    • お釣りも出るし、余ったらキャッシュバックも可能
    • すき家のチーズ牛丼好きなので3日に1回は行ってた
  • ミネラルウォーター1日1本タダで支給
  • きれいな大浴場が26時まで使える
    • 露天風呂もある。都心部ド真ん中の地上12階なのでなかなか爽快
    • まぁ「大」浴場とはいえ浴槽は3m四方ぐらいで露天風呂も一人用だけど、基本的に空いてたので問題なし
  • 日中のルームメイクを拒否できる→休日に一日中引きこもることが可能
    • 土日や官庁訪問後半は休みが増えるので助かる
  • これだけの好条件でありながらそれほど高くない
    • 会員登録すると夕食に関しても朝食と同じように食券がもらえるんだけど、他のいろんな場所で食べたい場合はその分の料金を宿泊代から引くこともでき、それ込みで一泊6500円程度)

逆に不満だったのはこれぐらい。

  • 無線LANが飛んでいるが暗号化はなし
    • 気になる人はルータ持ち込むなりVPN用意するなりすればいいかと
  • 有線もときどき切れる
  • 洗濯物干すところがほとんどない

東京のこの辺で他のホテルに泊まったことはないので相対的な評価をすることはできないんだけど、どこのホテルもこのレベルということはないだろう。少なくとも僕がこれまで泊まったことのあるビジネスホテルの中ではダントツの満足度だった。個人的には官庁訪問を乗り越えられた理由の3割ぐらいはこのホテルのおかげだと思っている。ということで宣伝しておくので、官庁訪問の際にはぜひご利用ください。

僕が予約した5月中旬の時点ではそこそこ空きがある感じだったと記憶しているけど、前日上京の場合16連泊という長期の予約になるし、同じように官庁訪問で来る人はたくさんいるので、宿の確保についてはできるだけ速く動いておいたほうがいいと思う。1つの宿を全日程押さえることができず官庁訪問中に宿を転々としないといけなくなったりすると悲惨だし。


……というわけで、余裕を持って前日の夕方には上京し、ホテル新橋三番館にチェックイン。
次回、最終章 官庁訪問本番編。近日公開。

国家公務員試験総合職受験日記 官庁訪問 -- 解説編

すっかり遅くなってしまったけど、国総のラスボスこと官庁訪問のお話。長くなりそうなので解説編と体験談編に分けてお送りします。解説編・準備編・本番編に分けました。

官庁訪問のルール

基本的なルールはだいたい人事院のページで公開されているとおりなんだけど、官庁訪問の進め方については面倒なことに色々と暗黙のルールがあったりしてややこしい。今回書く体験記の前提にもなる部分なので、はじめにその辺りの内容について僕が把握している範囲でまとめておこうと思う。基本的に大学の講座とか相談会とかで聞いた話を中心に僕の体験や独自見解を含めたものになるので、あまり鵜呑みにはしないでください。

全体の流れ

官庁訪問の期間はおよそ2週間だが、これが6つのクール(土日は休み)に分けられている。自分が就職を希望する省庁に1クール1回訪問し、途中で落とされることなく6クール目まで辿り着くことができれば、その省庁から内々定がもらえてミッションコンプリートという流れ。

まず初日からの3日間が第1クール。基本的に1日に行ける省庁は1つなので、第3希望まで自分の行きたい省庁を決めておいて、その3日で順番に周ることになる。省庁によっては午前だけ・午後だけの訪問を行なっているところもあり4つ以上の省庁を訪問することも可能らしいが、あまり詳しくは知らない。各省庁では面接を繰り返し、その日の訪問の最後に次クールの予約をもらうことができれば、次のクールでの訪問に進むことができる。この予約をもらって次に進むというのが全クール共通の基本的な流れである。第1クールで周った省庁を順にA,B,Cとする。

続く第2クールも期間は同じく3日間。第1,2クールでは同一省庁への訪問は3日空けなければならないというルールが存在するので、基本的に第1クールを通過した省庁に同じくA,B,Cの順番で再訪問することになる(第1クールで予約をもらう際にもそのように指定されるはず)。地方在住などで第1クールに間に合わない人は第2クールから訪問を開始することも可能で、その際に不利な扱いを受けることはないとされている。そこで、もし第1クールで落とされた省庁がある場合にはその省庁を再訪問するはずだった日に別の省庁を新しく訪問することも可能で、マイナー省庁だと第3,4クールぐらいから訪問しても採用の可能性があったりするらしい。とはいえ人気省庁だとそうはいかないだろうし、行きたい省庁には地方在住でもがんばって初日から参加するに越したことはないだろう。次の段落で詳しく書くが、第2クールでもらえる予約はそれまでの評価が良ければ第3クール初日、そうでなければ2日目である。ここで初日の予約をもらえるかどうかが非常に重要。

第3クールは官庁訪問において分水嶺となる非常に重要なクールであり、特にその初日は採用されるための最重要ポイントと言われている。まず期間が2日であるため、第2クールまでにどの省庁にも落とされていない場合はここで候補を2つまで絞る必要がある。さらに第2クールまで存在した連続訪問制限がなくなるので、それまでの訪問順を守る必要がなくなる。ここで気をつけなければならないのは、ほとんどの省庁が第3クール初日から多数、2日目から少数の採用を行っているらしいということ。そのため、第2クールで複数の省庁から初日の予約をもらった場合、どこを初日に訪問するのかは慎重に決めなければならない。もちろん初日に呼ばれればほぼ決まりのところもあれば初日でもまだ安心できないところもあったりと初日の重要性は省庁によって異なるが、第2クールに第3クール2日目の予約しかもらえなかったり、初日の予約をもらったけど他の省庁を優先して2日目にずらしてもらった場合にはその省庁に採用される可能性はかなり低くなると考えたほうがよさそう。つまりここで採用を目指せる省庁はほぼ1つに決まってしまうので、例えば向こうからの評価があんまり高くなさそうな第1志望と評価が高そうな第2志望から初日の予約をもらっていた場合は、後者を優先したほうが賢明だと言われている(特に僕みたいに滑り止めの民間内定とかを持っていないなら)。逆に言えばその評価が決まる第2クールまでが一番の頑張りどころなのかもしれない。

この第3クール・同じく2日間の第4クールあたりで省庁間の取り合いなどを踏まえた人数調整が行われるらしい。その後の第5,6クールはそれぞれ1日だけで、ほぼ落とされることのない消化試合となっていることが多いようだが、この辺で何をやるのかは省庁によって様々っぽいのでよくわからない。当落ライン上にいる人が第3クール以降も厳しい戦いを強いられる一方で、省庁によっては第3クールまででほぼ採用が確定した人は省庁内の見学ツアーを開いてもらったり、第6クールまで来ないでいいよと言われたりすることもあるんだとか。第6クールの日がルールで定められた内々定解禁日なので、そこまで辿り着くことができれば無事内々定をもらって官庁訪問終了となる。

訪問の内容

庁舎到着後は待合室みたいなところに待機させられ、自分の面接の順番が来たら別の部屋に行かされてそこで面接を行い、また次の順番まで待合室に戻って待機させられるのを繰り返し、途中で帰らされることなく最後に次の予約をもらえればその日はクリア、というのが官庁訪問における1日の基本的な流れだと思う。

官庁訪問では大まかに分けて2通りの面接が行われ、俗に人事面接・原課面接と呼ばれている。人事面接はいわゆる普通の面接で、面接官に色々質問されてそれに答える形。それに対し原課面接はいわば業務説明であり、面接官がその省庁の業務などについて説明を行う形で、それに対する意見とかを求められることもあるらしい。ちなみに僕の場合は原課面接は官庁訪問全体通して1回だけだった。あと、一日の終わりにはその日の面接の結果が伝えられ次クールの予約をもらう(or 落とされる)出口面接というのがあることが多い。逆に一日の最初に興味のある業務領域を聞かれその日会う職員とのマッチングを行う入口面接なんてのもあるらしいが、僕が訪問した省庁にはなかった。

また途中で作文やディスカッションをやらされることがあったり、その他にも一日の面接回数とか束縛時間とか官庁訪問の進め方は省庁によってだいぶ違うので、とりあえず僕が訪問した省庁の内容について次の体験談編で詳しく書いて一例としたいと思う。

当落

「予約」という表現を何度か使ったが、官庁訪問における面接の当落や評価の表現は独特で、有り体に言えば遠回しでまどろっこしい。基本的に一日の最後の出口面接で「それでは次回は○○日の××時に来てください」と具体的に次の訪問の日程を指定されれば、その日はクリアである。逆に落とされるときの典型的な決まり文句が、「何かあった場合にはこちらから連絡します」で、ほとんどの場合何もなくそれで終わる(欠員が出たときなど稀に本当に連絡が来ることはあるらしい)。落とし方には様々なバリエーションがあるみたいなので、興味のある人は「官庁訪問 コピペ」でぐぐってみよう。

また訪問中の自分の評価についても、他の訪問者より年次や役職の高い職員に会えれば評価が高いだとか、一軍と二軍で待合室が分けられるだとか、出口面接での面接官の言葉の選び方だとか、省庁によって様々な隠しステータスがあるらしく、待合室では訪問者の間で都市伝説的な情報が飛び交ったりする。その情報戦を制し訪問省庁での自分の評価を把握するのは、第3クール初日の訪問省庁を決める上でけっこう重要かもしれない。

学歴

コメントで質問いただいた学歴の作用について。次のエントリで言及すると僕の志望省庁特定の大きなヒントになってしまいそうなので、官庁訪問全体での話としてこっちに書く。

まず各省庁の採用者に旧帝大早慶、特に東大が多いのはもともと試験の合格者数の割合がそうなっているのである意味当然だと思う(今年度は合格者1,753人中東大が454人らしい)。僕自身の話をすると、僕はコメントくれた方のご推察通り学歴とあと席次もどちらかというとそれがプラスに働く側で、それ以外に大した取り柄もない人間なので最終的に内々定をもらえた要因にそれが加味されているんだろうなぁという実感はある。ただ、僕が周ったのはちょうど学歴・席次をわりと重視してそうな省庁、人物重視・成績不問を標榜する省庁、どちらともいえない省庁の3つだったんだけど、どの省庁でも訪問の過程ではそこまで学歴・席次について言及されたり扱いの違いを感じることはなかった。もちろん他の受験者に学歴や席次を聞いて回るようなことはしていないから違いを感じようがないってのはあるし、もっと成績を重視している省庁ではどうやっているのかはわからないけど。一つ面白かったのが、その人物重視を標榜する省庁では官庁訪問の一番最初に履歴書みたいなのを書かされたんだけど、そこにはきっちり学歴と席次を書く欄があったこと。いやいや結局気にしてるのかよ!っていう。

ということで、学歴・席次についての僕の体感としては「どの程度作用するかは省庁によって異なるし分からないけど、どの省庁でも見られていることは間違いない」といったところでしょうか。


色々と説明不足な点もあると思うけど、とりあえず概要説明はこのぐらいにしておいて次のエントリで僕の体験談や対策なんかの話をしていきたい。2,3日以内には更新する予定。

国家公務員試験総合職受験日記 二次試験 -- 人物試験・政策課題討議試験編

さてさて、それでは改めて本編の続き。ここから先は面接の話が中心になり僕個人に関する内容が増えてくるので、大筋は外さないようにところどころフェイクやぼかしを入れながら書きます。ご了承を。


二次記述が終わると国家公務員試験自体はいよいよ人物・政策課題討議試験を残すのみ。平成25年度の院卒の人物試験日程は6/5〜6/14だが、以前の記事に書いたとおり記述試験の数日後にメールで届く「二次試験通知書」で通知された僕の試験日は6/7だった。工学は早いのかな?

当日まで

いつからだったか忘れたけど、面接カードというものが人事院のサイトからダウンロードできるようになる。要は公務員試験版エントリーシートで、人物試験(面接)はほぼ当日提出したこの面接カードの内容に沿って行われる。なので面接までにやることといえば、もっぱらこの面接カードを埋めて、その内容に関する想定質問に対して答えを考えておくことになると思う。

面接カードの内容は、

  1. 学業や職務において力を入れたこと(理系なら研究について書くのが普通だろう)
  2. 社会的活動や学生生活において力をry(バイトとかサークルとか)
  3. 日常生活その他においry(趣味・資格・興味のある時事ネタとか)
  4. 志望動機

となっている。記入欄の大きさは④は200字ぐらい、それ以外は100字ぐらいと少ないので、あまり深く書かずにいろんな内容を入れて質問を誘うのがセオリーっぽい。人物試験では過去の行動・経験を重視するコンピテンシー評価とかいうシステムが導入されているらしく、面接カードのそれぞれの内容について「どういうことに取り組んだのか」「なぜそれに取り組んだのか」「どんな困難に出会い、どう対処したか」「どんな成果が得られたか」とかそういう質問がメインになるんだとか。なのでそのあたりの質問にちゃんと答えられるように、Evernote(複数の端末間で同期できる・タグつけて分類できる・Webページとか画像とかなんでも扱えるので便利)に想定質問&回答集を作ったりしてた。あとは、大学のほうで予備校の人を招いて官庁訪問対策講座とか模擬面接とかやってたので参加した。公務員試験に関する情報はだいたいネットかそういう大学のイベントから仕入れた。

政策課題討議試験については、去年が初めての実施?だったこともあり全然情報が見つからなかったので対策のしようがなかった。そこで、このエントリでは来年以降の参考になるようできるだけ詳細に書いていこうと思う(当日タイミングの問題で政策討議についてのメモを残せなかったからちょっとうろ覚えだけど……)。

当日

以下の内容は平成25年度の僕の会場の場合なので、細かい部分が違っていてもあしからず。

今回の会場は大学ではなく某庁舎で、また電車で1時間ぐらい。9時開始とだけ教えられてたので20分前ぐらいに会場入りしたらわりと早い方だった。庁舎に入ると広い部屋に通されて、自分のグループ(A〜F)と番号(1〜6)が教えられ対応する座席に座って待機。人物試験は各グループごとに決められた部屋で番号順に受けさせられ、討議試験もこのグループで行なうことになる。最終的に僕のグループは4人しか集まらなかったんだけど普通に6人のグループもあったので、多少欠席者が出ても調整は行わないらしい。9時過ぎになると説明と諸注意が行われ、ここで初めて試験は人物→討議の順番で行われることを知る。

人物試験

9時半ぐらいになるとグループごとに面接を行う部屋の前に案内される。そして番号順に部屋に入って面接を受け、順番待ちの人は部屋の前で待機(順番が後ろの方の人は大会議室に戻っててもいいと言われてた)。

さて面接の模様。部屋でのポジションはこんな感じで、3人の試験官が奥の長机に構えている。自分はその前の椅子に座る。

B A C
[〓〓〓]

  自分

前述の講座で教えられたところによると、真ん中のAさんは人事院の人、左右のB,Cさんはその他の省庁の人(どの省なのかはわからない)らしい。僕が受けた質問はだいたいこんな感じ。
(ここからAさん)

  • 研究について
    • 具体的にどんなことをやってるのか教えて。
    • 研究テーマを選んだきっかけは?
    • 研究の最終的な目標はある?今はその中でどれぐらいの段階?
    • 研究室の規模は?
    • 研究室でのあなたの立ち位置は?
    • 研究室のメンバーからどんな評価を受けていると思うか?
      • こういう他人からの評価はけっこう聞かれやすいらしい。模擬面接でも聞かれた。
  • 志望動機について
    • 総合職を受験したのはなぜ?
    • 志望官庁それぞれについて、自分が大学でやってきたことを活かして何ができるか?
  • その他
    • 自分の弱みは何かあるか?
      • これも模擬面接でも聞かれた。長所短所は両方用意しといたほうがよさそう。
    • それが原因で困ったエピソードはあるか?

(ここからBさん)

  • 社会的活動・学生生活について(僕は塾のバイトを長期間・複数やってたのでそのことを書いた)
    • 合計何人ぐらいの生徒を教えた?
    • 苦労したことは?どうやって対処した?結果はよくなった?

(ここからCさん)

  • 日常生活その他について(僕は趣味いくつか、TOEICの点、興味のある時事ネタについて箇条書きしてた)
    • TOEICはどんな勉強をした?
    • 趣味それぞれについて説明して。研究室の仲間とやってるの?
    • 趣味はずっと続けるつもり?理由は?
    • 時事ネタについて、それに興味を持ったのはなぜか?

以上。Aさんが面接カードの①④担当、Bさんが②担当、Cさんが③担当っぽい。そこまで突飛な質問はなかったので、無難にこなせたんじゃないかな。

大卒は討議試験がないので終わったら即帰れるらしいが、院卒はそういうわけにはいかないので面接後は最初の大会議室に帰ってひたすら待機。通信機器の使用が禁止されていて暇だったので、僕はひたすらこのブログ用に面接の内容をメモに起こしてた。確か11時半過ぎにすべてのグループの面接が終わって、12時過ぎぐらいから政策討議試験開始。ここからの内容はメモとってなくて不正確なので細かい部分は参考程度でお願いします。

政策課題討議試験

人物試験が終わり全員が揃った状態の大会議室で、課題が書かれた冊子が配られる。まず25分でこの冊子の内容に目を通し、A4用紙1枚(表のみ)に形式自由で自分の考えをまとめさせられた。冊子の最初には問題設定とそれに関するA・B2つの対立する政策、そして後ろの資料を元に自分が支持する政策を選択し根拠を用紙にまとめ、それに基づいて討議を行なってもらうみたいな説明事項が書いてある。その後ろに載っている資料は日本語・英語の文章がそれぞれA4に1ページぐらいと、表が2つ。問題冊子だのレジュメだのは最終的に全部回収される。

今回のテーマは「今後の日本のODAへの予算配分について、(A)アジア地域に集中させるべきか(B)そうせざるべきか」というもの。当然ド専門外なので一般常識と資料をフル活用してがんばることになる。英語の文章が専門外であることを抜きにしてもかなり読みにくくて、半分ぐらいしか意味がわからなかった。英文の読解に時間がかかったこともあって25分は短く、レジュメは何の工夫もない箇条書きで6割ぐらいを埋めるのが精一杯だった。

レジュメ作成が終わると冊子とレジュメが回収されてまたしばらく待たされ、その後グループごとに討議を行う部屋に通される。部屋の真ん中には三角形に長机が組んであって、そのまわりを試験官席がぐるっと囲っていた。受験者は長机に2人ずつ(うちは4人だったから2・1・1だったけど)座って討論を行い、それをまわりの試験官が見ているという形。討議の流れは、まず全員分のレジュメを印刷したものが配られるので目を通す(5分?)→自分の考えを発表する(3分?)→討論し意見をまとめる(30分)→最終的な自分の考えを発表する準備(5分?)→最終発表(2分?)という感じだった。時間はよく覚えてないので適当。

僕のグループでは、レジュメに目を通すと支持する主張が見事に僕1人vs他の3人になっていて、気づいた瞬間冷や汗が出た。とはいえ僕も意見自体はあまり迷わず決めていたし、僕が折れると議論が終了してしまうので積極的に相手側に質問を投げたりして3対1で奮闘する。最終的には完全論破されることはなく、かといって反対意見側をやり込めることもなく最終発表はお互い最初の意見のまま相手側の意見を多少取り入れてお茶を濁すという形で終了。これ一体どう評価するんだ……。こうして政策課題討議試験が終わった後は特になにもなく、そのまま解散を言い渡されて終了。


……と、総合職試験自体はこれにて全て終わり。受かってればラスボス官庁訪問との決戦である。合格発表は6/24、官庁訪問開始の2日前。ほんとにこのスケジュールはもうちょいなんとかならないのだろうか……結果が気になって官庁訪問対策に身が入らないし、発表後はすぐに東京行かないといけないし。

結果

6/24にWebで最終合格者の受験番号が発表され、合格者には席次と自分の得点が書かれた合格通知書が送付される。僕のところには24日の夕方ぐらいに届いて、席次は上位3割ぐらいと思ったよりよかった。点数計算サイトで去年のレート使って計算してみると、記述は一次二次両方6割ちょいと仮定すると人物・政策のどっちかでB取れてたっぽい。

工学区分の最終合格者数はこんな感じみたい。

申込 一次合格 最終合格 採用予定
大卒 H24 1919 334 186 75
H25 1870 628 334 110
院卒 H24 789 177 91 45
H25 764 276 147 60

(参考:国家公務員採用試験の実施結果,試験情報・採用情報)

なんでや!阪神関係ないやろ!


結果を先に言ってしまったからアレだけど、次はいよいよ最終関門の官庁訪問編。ここからが本当の地獄だ……